滋賀近美アートスポットプロジェクトVol.3「エンドレス・ミトス」


出品作品:みざかる時点/Tangle of time
制作年:2020年
素材: 岩絵具、水干絵具、胡粉、染型、麻紙、木製枠

撮影:麥生田兵吾


滋賀近美アートスポットプロジェクトVol.3「エンドレス・ミトス」

日時:2020年9月19日(土)~10月18日(日)
会場:滋賀県東近江市垣見町776(JR能登川駅東口側)
作家:小宮 太郎、武田 梨沙、藤野 裕美子
主催:滋賀県立近代美術館(現:滋賀県立美術館)
企画:荒井 保洋(滋賀県立美術館 学芸員)

https://www.shiga-kinbi.jp/?p=23730

記録映像:https://youtu.be/aXhbdyblmkU

【展覧会概要】

 琵琶湖の東側に位置する湖東・東近江地域は、古代から繊維の生産を行っており、中世以降はここの織物が近江上布として近江商人の取り扱う随一の商品となるなど、非常に上質な麻織物の産地として知られています。時代の流れの中で機械化や化学繊維の隆盛に押されながらも、今も伝統工芸として受け継がれています。また、同じ東近江市にある永源寺地区は、木の加工を行う職人集団、木地師の生まれた里であり、かつて織布産業で使われていた糸車には、木を回転させながら加工していく木地師の技術が応用されています。現代まで受け継がれてきた技術には、直接的ではないにしろ、たしかに東近江独自の血が流れているのです。

 今回の展示では、こうした織物の町の一つである能登川を会場として、綿々と続いていくものと、そこにある密やかながらも必然的な関係をテーマに、滋賀にゆかりある3人の若手作家、小宮太郎、武田梨沙、藤野裕美子による新作を中心とした展覧会を開催します。


【ステイトメント】

 主に能登川・五個荘エリア、そして永源寺の蛭谷・君ケ畑の集落を歩いて見つけた、放置されていたモノや自生していた植物などを、ランダムに継ぎ接ぐようにして画面上を構成しています。人の手を離れた「過去」のモノと、日々更新され「現在」を象徴するもの、時に「過去」を風化しようとするものとして植物などの自然を描いています。それら「過去」と「現在」が混在し、それぞれの地点・時点が繋がり合うかのように描こうとしています。

 絵画の形状(中心の開いた菱形)、裏の模様(北川織物の古い染型を使用、胡粉で麻紙に型押し) には、四方八方への広がり・緩やかな繋がり、また一方で空間や時間が要所で途切れるイメージを委ねています。誰かが絵画と相対するその時、絵画の中に巡る時間がさらに外側と繋がることをイメージして絵画を空間に配置しています。

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